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アルミの加工方法を解説|特性や加工の種類も紹介

2022年10月03日

アルミニウムは汎用性の高い優秀な金属で、曲げたり切断したり穴をあけたりといった多様な加工方法が選択でき、1円玉から航空機に至るまで幅広いシーンで活躍しています。

そこで今回は、

「アルミの加工方法にはどのような種類がある?」
「アルミを使った機械の製造を発注したいが、どのような加工が可能?」

といった疑問をお持ちの方に向けて、アルミの加工特性や加工方法について解説していきますので、ぜひ参考にご覧ください。

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アルミ加工の特性

アルミニウムは他の金属に比べて耐食性に優れており、熱の伝導性も高く、また、電気も通しやすいといった特性がありますが、加工する上でメリットとなるポイントとしては「軽い」「柔らかい」「融点が低い」の3つがあげられます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

特性①:軽い

アルミの比重(密度)は、純アルミで約2.70g/cm³、アルミ合金で約2.6〜2.8g/cm³となっており、鉄(7.87g/cm³)や銅(8.93g/cm³)と比べると3分の1程度の軽さであることがわかります。

そのためアルミは製品の軽量化に一役買っており、例えばエンジンやホイールといった自動車部品や、ギアやワッシャーといった摺動部品(部品同士が接触する部分に使われる部品)にアルミが活用されています。

特性②:柔らかい

アルミは柔らかいため、曲げやプレスといった塑性加工(力を加えて変形させたあと元に戻らない性質を活用した加工方法)が可能です。

例えばアルミホイルも柔らかさを活かした加工製品の一つで、アルミ板を6〜12μmという薄さまで機械で延ばして製造しています。

特性③:融点が低い

機械・機材製造においてアルミ以外でよく使用される銅の融点は1084.5 ℃、鉄が1536 ℃であるのに対し、アルミの融点は660℃と大変低くなっています。そのため、溶かした金属を型に流し込む加工方法(鋳造)も選択することができます。

アルミを鋳造して作る製品はアルミ鋳物と呼ばれ、例えばエスカレーターのステップ部分や門扉、フェンス、エンジン(シリンダブロック)、トランスミッションケースなどがアルミ鋳物の加工例としてあげられます。

また、アルミは様々な接合方法に適応する反面、融点の低さや電気伝導性の高さから、作業自体は非常に難しいものとなっています。

アルミの加工方法

次に、アルミの加工方法について詳しく見ていきましょう。

ここでは、弊社今井工業で対応している下記6つの加工方法について、加工する機械や加工時の様子とともにご紹介します。

①ベンダー加工(曲げ加工)
②プレス加工
③シャーリング加工(切断加工)
④タレパン加工(穴あけ加工)
⑤接合(溶接)
⑥アッセンブリ

加工方法①:ベンダー加工(曲げ加工)

ハイブリットベンダーHG1704(ベンダー加工)

ベンダー加工(曲げ加工)とは、アルミを折り返したり、曲線を作ったりすることを目的とした加工方法で、ローラーやベンディングマシンを使ってアルミに圧力をかけて加工します。

製品や部品を形作るだけでなく、安全性を向上させるために端を折り返して丸くしたり、強度を高めるために90度に折り返して厚みを出したりすることもあります。

弊社今井工業では、NCバックゲージ付(注1)のACサーボ・ベンディングマシン(注2)を導入し、製品サイズ4.0Mまでの精密な曲げ加工に対応しています。

注1:数値情報でマシンに指令を送ることができる制御システム「NC(Numerically Control)」を搭載したバックゲージ(アルミ板材の位置を決める突きあて)。工程に合わせて自動で位置が変動する。

注2:電気駆動する曲げ加工専用の機械。油圧式と比べて応答性が高く、より高精度な位置決めを可能とする。

加工方法②:プレス加工

アルミのプレス加工の様子

プレス加工とは、プレス専用の機械でアルミ材に強い圧力をかけて金型に押しつけ、任意の形に成型する加工方法です。

部品や製品ごとに金型を作らなければいけませんが、安定した品質や無駄のない工程の実現が叶うため、大量生産する上で、なくてはならない加工方法となっています。

弊社では、20t〜80tのプレス加工まで対応しています。

今井工業のプレス加工

加工方法③:シャーリング加工(切断加工)

シャーリング加工(M4065)

シャーリング加工(切断加工)とは、せん断機と呼ばれる機械でアルミを切断する加工方法です。

アルミを回転させながら切断する旋盤(せんばん)加工や、機械を回転させながら切断する転削(てんさく)加工といった種類がありますが、いずれも削ることなく切断するため、切りくずや切粉が発生せず、アルミの無駄遣いを防ぐことができる加工方法となっています。

また、アルミが苦手とする熱が加わることもなく、切断時に熱変異することがないため、金型も不要なためコストも削減できます。

弊社では、0.5〜3.0mmの薄板であれば任意の材質・サイズにて加工が可能です。

加工方法④:タレパン加工(穴あけ加工)

タレットパンチプレスPEGA357(タレパン加工)

タレパン加工(穴あけ加工)とは、金型や機械を用いてアルミに穴をあける加工方法です。タレパンとはタレットパンチプレスの略称で、厳密に言えばプレス加工の一種に分類されます。

従来の穴あけ加工では位置が変わるたびに人がハンドル操作を行って作業していましたが、近年はNC化された機械による加工が普及しています。作成した図面を元にコンピューターがコントロールするため、人的なコストが削減できるだけでなく、より制度の高い穴あけ・抜き打ち加工が可能となりました。

弊社では製品サイズ4.0Mまで対応しているNC制御のタレパン加工を導入しており、アルミ板1枚から加工を承っています。

今井工業のタレパン加工の様子

加工方法⑤:接合(溶接)

アルミの接合方法は、溶接や接着、機械によるものなど様々ですが、一般的に採用されている接合方法は溶接です。しかし一方で、アルミは熱に溶けやすいという特性を持つため、溶接は非常に難しい加工だと言われています。

溶接にも複数の種類がありますが、アルミの場合は「TIG(ティグ)溶接」という方法が主に用いられます。

TIG溶接のTIGとは「Tungsten Inert Gas」の略称で、溶接時に溶接材料とならないタングステン及びタングステン合金を電極に用いて、溶接部をアルゴンやヘリウムといった不活性ガスでシールドしながらアーク中(注1)で溶加材を溶かし込んで接合します。

注1:電極の間で電流が流れると強い光(アーク)が放たれ、同時に高温の熱が発生し、その熱を利用して溶加材を溶かす。アークによる熱で溶接する接合方法をアーク溶接とも呼ぶ。

アルミ溶接の様子

アルミの接合にはTIG溶接以外にも、小範囲で溶接する「スポット溶接」という方法が用いられることもあります。

スポット溶接は、接合したい2つの材料を電極で挟み込んで加圧し、電流を流した際に発生するジュール熱によって局所的に溶加材を溶かし込む加工方法で、見た目の美しさを重視したい場合や、短時間で溶接したい場合に用いられます。

一般的にスポット溶接は初心者でも簡単にできる接合方法として知られていますが、アルミのスポット溶接に関しては、高度な技術が伴う加工方法として位置付けられています。

というのも、電気を通しやすいアルミは電流が局部にとどまらず分散してしまうため、溶加材を溶かすための熱を発生させるのがとても難しいからです。

弊社ではTIG溶接だけでなく高度なスポット溶接にも対応しており、また、アルミだけでなくステンレスの溶接もお受けしています。

加工方法⑥:アッセンブリ

アッセンブリの様子

アッセンブリとは、部品同士を組み立てる加工のことです。

工場によってはアルミ部品のみを製造し、アッセンブリは専用の工場で実施することもありますが、弊社今井工業では部品の製造からアッセンブリまでのトータル加工が可能です。

アッセンブリまで行うことで、完成を見据えた細やかな調整が可能となります。

特に弊社では、熱に弱いアルミを傷つけずに組み立てできるリベット(注1)やビスを使ったアッセンブリを得意としています。

注1:リベットとは釘のようなもので、アルミやステンレスが主な素材。穴をあけた部材に差し込み、専用の工具で先端を潰して接合する。緩みが発生しやすいボルトに比べて安全性や強度が高いことから、航空機や建造物の組み立てで使用されることが多い。

アルミは幅広い加工方法に対応する万能金属

アルミを加工する方法や、加工する上での特徴についてご紹介しました。

アルミは軽量で柔らかく、ベンダー加工やプレス加工、シャーリング加工など、用途・目的に応じて幅広い加工が選択できる金属です。

また、強度等を補うためにマンガンやケイ素、マグネシウム、亜鉛、ニッケルといった他の金属を混ぜることで、それぞれの金属の特性を活かした使い方も可能になります。

そのため、アルミは窓のサッシやジュース缶といった身近なものから、航空機や鉄道といった人の命を預かるものに至るまで、幅広い製品・機械・機材に活用されており、汎用性の高い万能金属だと言えます。

一方で、融解点が低いため加工時に発生する熱で溶けてしまったり、柔らかいため傷や凹みがつきやすかったりと、加工には高度な技術が必要となります。

アルミを使用した製品・機械・機材の製造を工場へ依頼する際は、どのような加工方法に対応しているのか、また、どのような工程までを依頼できるのか、という点に着目して選ぶと失敗を防ぐことができるでしょう。

アルミ板金加工は大阪堺市の今井工業へご相談を

アルミ板金加工は大阪堺市の今井工業へご相談を

今井工業は「設計→資材調達→機械加工→溶接→仕上げ→アッセンブリ→倉庫保管→納品」の一貫生産体制を強みとし、昭和25年に大阪・堺市で創業して以来、蓄積されたノウハウと高いアルミ加工技術で、関西圏にある多くのメーカー様にお力添えし続けてきました。

農業機械や産業機械、空調冷熱機材、医療機材等の製造をご検討されている方、また、アルミ加工についてお困りごとがある方は、試作だけでも承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。